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大和の昔話 第六話(天理市)

神社仏閣や遺蹟など歴史が深い世界には、由来、伝説、昔話など色々あります。
幼い頃に毎週放送されていた昔話が大好きでした。
昔の人たちの考え方、捉え方などを感じさせてくれる大切なお話だと思っています。

色々な参考資料をもとに写真と共にお伝えしていきたいと考えています。
では第六話をお話しさせていただきます。

馬魚(ばぎょ)

天理市の石上神宮の南に、昔、内山永久寺という大きな古い寺がありました。内山という所にあるので、内山寺ともいい、永久年間(1113~1118年)にできたので永久寺ともいったのです。

明治の初年に全部なくなってしまったのですが、本堂前にあった本堂池という池だけが残っていてそこに馬魚という草を食べる珍しい魚が住んでいます。

今は石上神宮の鏡池、東大寺大仏殿前の鏡池へも移されていて、県の天然記念物に指定されています。鯉に似ていて鯉より扁平で少し細いです。

そんな馬魚にはこんな伝説が残っています。

昔、後醍醐天皇が京都から吉野山へおしのびになって行かれる時、この内山の永久寺までお越しになり、ここの萱の御所で御身をひそめておられました。その時、御乗馬がこの池のほとりで亡くなりました。その馬の亡魂がこの馬魚になったのだということです。

馬魚の実名はワタカというそうです。

このお寺は廃仏毀釈の被害により、現在は本堂池しか残っていませんが、馬の亡魂が今も内山永久寺の魅力を残しています。春の桜はとても美しく、地元の人をはじめ、カメラマンもたくさん集まる場所となっています。

池から湧き上がる素敵な波動を感じながら、創造世界を眺める。贅沢なひとときを与えてくれます。

~天理市・内山永久寺跡

写真・内山永久寺跡 本堂池

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