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大和の昔話 第十七話(奈良市)

神社仏閣や遺蹟など歴史が深い世界には、由来、伝説、昔話など色々あります。
幼い頃に毎週放送されていた昔話が大好きでした。
昔の人たちの考え方、捉え方などを感じさせてくれる大切なお話だと思っています。

色々な参考資料をもとに写真と共にお伝えしていきたいと考えています。
では第十七話をお話しさせていただきます。

幽霊松と鴻の池

奈良市の西北部、法蓮に淡海公(たんかいこう)という小山があります。聖武天皇の御陵の陪塚の一つでいただきに枯れた松の大木がきれいなかっこうに立っていて幽霊松と呼ばれています。

また、山の西北のふもとに鴻の池という深い池があって、しばしばこの池にはまって死ぬ人があります。

昔、幽霊松の上に一羽の鳩がとまっていました。猟師が見つけて、これをうちました。

ところが、これは幽霊が形をかえていたものだったので、それからは片輪になって、元の形にかえれなくなったものですから、今に、人にたたることになりました。幽霊松という名もそこから出ているのだそうです。

もし人が山の付近に行って、幽霊松が風でギイギイと鳴り出す音を聞くと、鴻の池の水面が、すっかり敷きつめた青畳になり、池の向かいの山には、見事な家が立ち並んで見えます。おぼえず足を進めると、たちまちズブズブと水におちいってしまうのだといいます。

また一説には、松永弾正が織田信長に滅ぼされた時、その奥さんが鴻の池に身を投げ、大蛇となって池の主になりました。それがため、毎年あの池でひとりふたり死人ができるのだといいます。

~奈良市・鴻の池

写真・鴻の池、淡海公

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