神社仏閣や遺蹟など歴史が深い世界には、由来、伝説、昔話など色々あります。
幼い頃に毎週放送されていた昔話が大好きでした。
昔の人たちの考え方、捉え方などを感じさせてくれる大切なお話だと思っています。
色々な参考資料をもとに写真と共にお伝えしていきたいと考えています。
では第三話をお話しさせていただきます。
古女郎大明神
現在は県道754号線(旧国道24号線)となっていますが、JR奈良駅から南へ約150mほど行った地に、昭和の初めごろまでは、「あいがいし」という竹藪がありました。その薮の中ほどに橋があってそこに狐が住んでいたということです。
昔、ある夜、ひとりの武士がここを通りかかりますと、目の前に坊さんがひょっこりあらわれ、武士に突きあたりました。 武士は真っ赤になって怒り、 「無礼者、手討ちにするぞ」と叫びますと、「何をぬかす、坊主にするぞ」と坊さんは答えました。そして、坊さんはスーと、その姿を消してしまいました。
「おや」と思っている間もなく、今度は四人の坊さんがあらわれ、武士の頭をそって、坊主にしてしまいました。
これは橋の下に住む狐のいたずらであったということです。
昭和七年、国道工事の際、この竹藪が壊されたんで、狐は怒って路を幾筋にも見せて、工事人夫を負傷させました。人々は、この狐の祟りを恐れえ社をつくり、古女郎大明神として祀っているということです。
祀られているいる場所はJR奈良駅からすぐ近くの三条会館の敷地内にありますが、地元の人でも知らない人が多いと思います。近くに来られた際に覗いてみてはどうでしょうか。
なんとも言えない不思議な空間です。
~奈良市・三条会館
写真・正一位古女郎大明神
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